HowTo:使用方法・手順説明

更新日:2022-11-30

VTref信号をターゲット基板に接続無しで固定値に設定する方法


J-Link CommanderツールからVTREFコマンドで固定VTref(3.3Vまで)に設定可能です。

J-Link/J-TraceはデバッグポートコネクタのVTref信号(PIN-1)経由でターゲットに電力が供給されているかどうかを確認し、ターゲット側の電圧に合わせてJTAG/SWD信号の出力レベルを制御します。VTref信号をターゲット基板のVDD(CPU電圧)に接続しない場合は、J-Link側にVTREFコマンドで正しい電圧レベルを設定してください。

設定手順:

J-Link/J-Trace本体のUSBポートをパソコンに接続します。※ターゲットボードとの接続は不要です。

Connect JLink

パソコンのスタートメニューから「J-Link Commander」プログラムを実行します。実行後にJ-Linkコマンドプロンプトコンソールが表示されます。

Commander Shell

J-Linkコンソールプロンプトから「VTREF 」コマンドを使用して、ミリV単位でVTref信号の固定値を設定します。設定可能な電圧は最大 3300 mV までとなります。
事例:
・VTREF 1800 → VTrefを固定 1.8V に設定
・VTREF 3300 → VTrefを固定 3.3V に設定
・VTREF 0 → VTrefの固定設定値を無効にします(PIN-1のVTref信号から読み出します)

J-Link>vtref 3300
New fixed VTref = 3300mV
The new configuration applies after power cycling the probe.
J-Link>

J-Link本体のUSBケーブルを再接続(J-Link本体を再起動)するとVTREF設定が有効になります。再度「J-Link Commander」プログラムを起動して「ShowHWStatus」コマンドで内容を確認します。VTREFのコンフィグレーション設定がJ-Link本体に保存され、以降、別の IDE / デバッグ環境で使用時も有効になります。

Commander Shell

固定モードのVTREF設定を無効にする場合は「VTREF 0」コマンドを入力します。

J-Link>vtref 0
Fixed VTref disabled. Using VTref pin of J-Link for target I/O voltage detection.
The new configuration applies after power cycling the probe.
J-Link>

制限事項:

  • VTREFコマンドで設定可能な電圧は最大 3300 mV までとなります。ターゲットマイコンの電圧(VDD)は3.3V以上の場合は、VTREFコマンドでの設定は出来ません。
  • VTREFコマンドを使用するには、ハードウエアバージョンV10.0以降のJ-Link本体が必要です。V9.x以前のハードウエアバージョンJ-Linkモデルは、VTREF設定は出来ません。
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