HowTo:使用方法・手順説明

更新日:2024-02-22

Authorized Flashing:セキュア書込みモードを設定します


Flasherシリーズプログラマは、海外・社外の生産ラインにおける不正操作を防止するセキュア書込みモードをサポートします。

海外・社外の生産ラインにおけるリスク:

Production Security RiskProduction Security Risk

Flasher本体にセキュアモードを設定して本体ディスクに保存されている大事なアプリケーションイメージデータを保護します。 以下、Flasher本体のスタンドアロンセキュアモードの設定方法を説明します。


セキュアモード設定手順:

  1. Flasher本体にセキュアエリアを作成します

    デフォルトではFlasher本体内蔵ディスク(128MB)は標準USBディスク同様にパソコンから読み書きアクセス可能です。セキュアモード操作に必要となりますので、以下の手順でFlasher本体のディスクにセキュアエリアパーティション(64MB)を作成します。

    J-Link / Flasherソフトウエアパッケージの「J-Link Commander」ツールを起動します。ターゲットボードとの接続は不要です。J-Link Commanderツールのプロンプトから「securearea create」コマンドを実行します。「securearea create」コマンド実行後に、Flasher本体のセキュアエリアパーティション及びディスクデータはすべて削除されます。

    Create Secure Area

    ※ セキュアエリア作成後に、Flasher本体に保存されているすべての設定ファイルとデータファイルが失われます。セキュアエリア作成前に必要なデータをバックアップしてください。

  2. スタンドアロンモードデータを準備します

    対象マイコンデバイス環境に合わせてJ-Flashプロジェクトを作成してスタンドアロンモードでのフラッシュ書込みを事前に確認します。

    Flasher本体をMSDモードでパソコンに接続して、本体ディスクの内容を確認します。生産ラインでの書き込む回数(正常書込みの回数のみ)を制限したい場合は、Flasherディスクのルートフォルダに「Cntdown.txt」ファイルを作成します。「Cntdown.txt」ファイルをテキストエディタで開いて、制限したい書き込む回数(例:500)を指定します。

    Cntdown.txt

    ※ 書き込む回数を制限しない場合は、「Cntdown.txt」ファイルは不要です。

    必要な場合、Flasherディスクのデータをパソコンのローカルフォルダにバックアップコピーしておきます。

    Local Disk Copy
  3. セキュアフォルダにデータをコピーします

    Flasher本体をMSDモードでパソコンに接続して、本体ディスクのルートフォルダに「_SECURE」フォルダを作成します。セキュアエリアに設定するプロジェクトデータファイル(CFG、DAT、Cntdown.txtなど)をすべて「_SECURE」フォルダに移動します。

    Create SECURE

    MSDモードを終了して、Flasher本体をパソコンから切断します。標準操作モードでFlasher本体を再起動しますと、Flasher本体がセキュアモードで起動します。
    ※ 再度MSDモードで再起動する場合は、セキュアモードの設定は出来ません。

    セキュアモードに設定されている本体でスタンドアロンモード操作を確認します。また、本体をMSDモードでパソコンに接続して、本体ディスクの内容を確認します。正常にセキュアモード設定が完了している場合は、以下のように書込み操作の「FLASHER.LOG」ログファイルが表示されますが、「_SECURE」フォルダがなく、データファイルの読み出しは出来ません。LAN/RS232ポート経由のコマンドコンソールからFILE I/Oコマンドでのイメージデータファイルアクセスは出来ません。

    Secure Access

    スタンドアロンモード書込みの結果は「FLASHER.LOG」ログファイルから確認できます。また、書込み操作のステータスはLAN/RS232コンソールから確認できます。

注意点:

  • セキュアモード設定後に、アプリケーションデータ保存に使用可能なディスクサイズは半分になります。例:Flasher ARMは最大64MBまで
  • セキュアモードでのパッチファイルサポート、複数イメージファイルの取り扱いは可能です。
  • セキュアモード設定後に、Flasherディスクに新たにアプリケーションデータ(CFG、DATなど)コピーされた場合はスタンドアロンモード操作に失敗します。

セキュアモードを再度設定する手順:

  1. 一度セキュアモードに設定されたFlasher本体に対して、J-Link Commanderツールのプロンプトからの「securearea create」コマンド実行は不要です。Flasher本体をMSDモードでパソコンに接続して、本体ディスクのルートフォルダに「_SECURE」フォルダを作成します。セキュアエリアに設定するプロジェクトデータファイル(CFG、DAT、Cntdown.txtなど)をすべて「_SECURE」フォルダに移動します。
  2. MSDモードを終了して、Flasher本体をパソコンから切断します。標準操作モードでFlasher本体を再起動しますと、Flasher本体がセキュアモードで起動します。
    ※ 再度MSDモードで再起動する場合は、セキュアモードの設定は出来ません。

セキュアモード解除手順:

J-Link Commanderツールのプロンプトから「securearea remove」コマンドを実行して、セキュアモード設定を削除します。「securearea remove」コマンド実行後に、Flasher本体のセキュアエリアパーティション及びディスクデータはすべて削除されます。

Create Secure Remove

参考情報:

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