フラッシュ書込みツールの比較
J-Link / Flasherでのフラッシュ書き込み方法

flasher

Flasherモデルの比較

Flasherモデル一覧:

  • Flasher ARM:ARM/Cortexマイコン専用モデル
  • Flasher PRO:フルスペックのプロモデル。ARM、Cortex以外に RX、RL78、STM8、RH850、PIC、AVR、8051、MSP430なども書き込み可能です。
  • Flasher PRO XL:2GB内蔵ディスクのプロモデル
  • Flasher Compact:70mm x 45mmサイズのコンパクトプロスペックモデル(LAN、RS232ポートはありません)
  • Flasher Portable PLUS:本体に液晶パネル付きで持ち運びに最適のプロモデル(LAN、RS232ポートはありません)
  • Flasher ATE:大量生産サポートするプロモデル(ギャングプログラマー)
  • Flasher Secure:開発センターと生産現場を繋ぐファームウェア書き込みプロセス全体の暗号化、認証、機密性を保証するハイエンドモデル

J-Link / Flasherでのフラッシュ書き込み方法

書き込み方法及び要求仕様に合わせてフラッシュ書き込みツールを選びます

IDEからフラッシュ書き込み(開発向け):

IAR EWARM、KEIL MDK、e2Studio等各対応IDEからJ-Linkモードでフラッシュ書き込みを行います。フラッシュ書き込みのために特別の設定がなく、IDEプロジェクトのマイコンデバイス名からそのマイコン内蔵フラッシュ用の書き込みアルゴリズムが自動的に選択されます。

一般使用事例:

  • 開発の時にIDE環境でビルドしましたROMイメージをマイコン経由でフラッシュメモリ空間に書き込んでデバッグ操作を行う

パソコンのコマンドラインからフラッシュ書き込み(開発向け):

無償提供の「J-Link Commander」ツールからJTAG経由でフラッシュ書き込みを行います。「J-Link Commander」ツールはJ-Linkソフトウェアパッケージに含まれています。 「J-Link Commander」ツールで実行するJ-Linkコマンドをスクリプトファイルとして設定すれば、パソコンのBATファイルから1クリックで実行できますので、技術知識がなくてもフラシュ書き込み操作が可能です。
書き込み可能なイメージファイル式:BIN、SREC、HEX、MOT

J-Linkコマンド順:

  • J-Link/Flasherをパソコンに接続します。
  • JTAGケーブルをターゲットボードに接続し、ターゲットに電源を入れます。
  • 「J-Link Commander」ツールを起動します。
  • J-Linkコマンドプロンプトから以下の順でフラッシュ書き込みを行います。
    J-Link>connect
    J-Link>device [devicename]
    J-Link>speed 4000
    J-Link>si [JTAG/SWD]
    J-Link>r
    J-Link>h
    J-Link>loadbin [BinFile], [programmingaddress]
J-Link Commander Tool

一般使用事例:

  • 開発IDE関係なくJ-Link/Flasher本体だけでROMイメージをマイコン経由でフラッシュメモリ空間に書き込んでプログラムの実行を確認する
  • ROMイメージを複数ボードに書き込む(開発目的)

J-Flash Liteツールからフラッシュ書き込み(開発向け):

無償提供の「J-Flash Lite」ツールからJTAG経由でターゲットマイコンの内蔵フラッシュ書き込みを行います。「J-Flash Lite」ツールはJ-Linkソフトウェアパッケージに含まれています。技術知識がなくても簡単な設定でフラシュ書き込み操作が可能です。「J-Flash Lite」ツールで書き込み可能なマイコンデバイスは内蔵フラッシュのCortex-M及びRXデバイスとなります。
書き込み可能なイメージファイル式:BIN、SREC、HEX、MOT

J-Flash Lite Tool

一般使用事例:

  • 開発IDE関係なくJ-Link/Flasher本体だけでROMイメージをマイコン経由で内蔵フラッシュメモリ空間に書き込んでプログラムの実行を確認する
  • ROMイメージを複数ボードに書き込む(開発目的)

Flasher本体からスタンドアロンモードでフラッシュ書き込み(量産向け):

パソコンなしでFlasher本体からボタン操作でJTAG経由でターゲットマイコンの内蔵・外部フラッシュの書き込みを行います。
ターゲットフラッシュ書き込み設定及びデータを「J-Flash」ツールから設定して予めFlasher本体にダウンロードすることでスタンドアロンモードは簡単に準備出来ます。スタンドアロンモード設定い必要な「J-Flash」ツールはJ-Linkソフトウェアパッケージに含まれています。スタンドアロンモードでのフラッシュ書き込みもサポート(一部のデバイスは未対応)しますので、技術知識がなくても簡単な設定でフラッシュ書き込み操作が可能です。RS232/TELNETコンソールからの遠隔操作が可能です。また、量産設備機械からハードウェアトリガー信号をかけてフラッシュ書き込みを行うことも可能です。
1つの操作で複数イメージを書き込むバッチ(Batch)プログラミング、そして指定空間のみ更新するパッチファイル書き込みもサポートします。
J-Flashツールから複数イメージをFlasher本体に保存可能です。
ターゲットフラッシュに書き込むイメージの選択方法:
Flasher ARM/Flasher PRO/Flasher Secureの場合 → RS232/TELNETコンソールから
Flasher Portable PLUSの場合 → 本体から

書き込み可能なイメージファイル式:BIN、SREC、HEX、MOT

一般使用事例:

  • 工場で(パソコン無し)の量産向けのフラッシュ書き込み
  • 工場での量産設備からトリガーをかけてフラッシュ書き込み
  • 現場でのファームウエア書き換え等を行うサービスツールとして使用

J-Flashツールからフラッシュ書き込み(開発・量産向け):

「J-Flash」ツールからJTAG経由でターゲットマイコンの内蔵・外部フラッシュの書き込みを行います。
「J-Flash」ツールはJ-Linkソフトウェアパッケージに含まれています。「J-Flash」ツールから簡単な手順でJ-Flashプロジェクトの作成・編集は可能です。また、外部QSPI・NORフラッシュインターフェースの追加、書き込むフラッシュセクタの選択、ターゲット依存分のハードウェア初期化設定の機能もサポートします。「J-Flash」ツールはパソコンのコマンドラインで実行可能ですので、BATスクリプトでカスタム書き込みシーケンスでの自動実行又はユーザアプリケーションから「J-Flash」ツールは実行出来ます。コマンドライン実行で同時に複数ターゲットフラッシュへの書き込み操作も可能です。
書き込み可能なイメージファイル式:BIN、SREC、HEX、MOT

J-Flash Tool

一般使用事例:

  • 工場でパソコン経由での量産向けのフラッシュ書き込み
  • パソコンからBATファイルコマンドスクリプトでフラッシュ書き込み
  • パソコン経由でファームウエア書き換え等を行うサービスツールとして使用

J-Flash SPIツールからフラッシュ書き込み(開発・量産向け):

「J-Flash SPI」ツールJTAG経由ではなく直接SPIライターとしてSPI/QSPIシリアルフラッシュへの書き込みが可能です。「J-Flash SPI」ツールは同じJ-Flash」ライセンスでご使用いただけます。JTAGコネクタではなく直接SPIフラッシュに接続しますので、ボード上にSPIフラッシュの「DI、CLK、CS、DO」信号のコネクタ(又はテストプローブ)が必要です。Flasher本体のPIN19からSPIフラッシュに電力共有「5V」出来ますので、オフボードでもSPIフラッシュへの書き込みが可能です。
書き込み可能なイメージファイル式:BIN、SREC、HEX、MOT

J-Flash SPI

一般使用事例:

  • 工場での量産向けのSPI/QSPIフラッシュ書き込み
  • 開発の時にROMイメージをデバッグの前にSPI/QSPIフラッシュ書き込み

Universal Flash Loaderツールからフラッシュ書き込み(開発・量産向け):

Universal Flashloader Configurator

Universal Flash Loaderツールを使用して標準JTAGインターフェースをサポートしないRL78、RH850、STM8、PIC、AVR、8051、MSP430などマイコンデバイスへの書き込みは可能です。(Q)SPI、FRAM、EEPROMメモリへの書き込みもサポートしています。「Universal Flash Loader Configurator」ツールからFlasherにデータをダウンロードしてスタンドアロンモードで書き込みを行います。
※Universal Flash Loaderツールは複数イメージはサポートしていません。