スタートアップガイド
embOS RTOS環境で動かせるemWin GUIのデモサンプル
評価ボード：RZ/A1H-Starter-Kit-Plus

関連ファイル

Target
 └ BSP
   └ R7S72100_RSK_RZA1H
      └ Setup
        ├ System   ........... RZ/A1マイコンデバイスの各種ドライバ（ルネサス様作成）
        ├ ARM_Startup.s   ......... Arm CPUリセット・例外ハンドラ処理
        ├ SEGGER_ARM_Startup.s .... コンパイラ・ツール依存の初期化処理
        ├ BSP.c    ................ ボード上のLEDインターフェースのドライバ
        ├ BSP_UART.c  ............. ボード上のUART2（CN18）インターフェースドライバ
        ├ RTOSInit_R7S72100.c  .... embOSカーネル初期化、システムタイマハンドラ
        ├ OS_Error.c   ............ OSエラーのコールバック処理
        ├ R7S72100_RAM.icf   ...... Debugビルド構成のリンカーマップ設定
        └ R7S72100_Flash.icf  ..... Releaseビルド構成のリンカーマップ設定

クロック設定

PLL初期化設定ファイル：RTOSInit_R7S72100.c（__low_level_init）

メインクロック：13.33MHz
CPUクロック：399.9MHz（13.33MHz x 30）
画像処理クロック：133.3MHz

MMU・キャッシュ設定

MMUテーブルの定義・設定内容は「RTOSInit_R7S72100.c」ファイルの__low_level_init()関数をご参照ください。L2キャッシュ、命令キャッシュ、データキャッシュを有効に設定しています。

デモサンプルプロジェクトのメモリマップ設定：

※ 本パッケージのサンプルプログラムはすべて内部SRAMだけで動かせます。外部SDRAMのバスインターフェースは使用していません。

関連ファイル

Target
 └ GUI
   ├ FS  ......... ファイルシステムインターフェース（未使用）
   ├ Lib  ........ emWin GUI関連のヘッダ、評価版ライブラリ（libGUI_rza1h_trial.a）
   ├ OS  ......... emWin RTOSインターフェースドライバ
   └ Setup
      └ R7S72100_Renesas_RSK_RZA1H
        ├ GUIConf.c  ......... GUIランタイムコンフィグレーション設定ファイル
        ├ GUIConf.h  ......... GUIビルドコンフィグレーション設定ファイル
        ├ LCDConf.c  ......... LCDドライバ設定ファイル
        ├ LCDConf.h  ......... LCDドライバ関連のヘッダ定義
        ├ PIDConf.c  ......... タッチパネルドライバインターフェース
        └ PIDConf.h  ......... タッチパネルドライバ関連のヘッダ定義

emWinプログラムのバージョン：emWin V6.48

emWinコンポーネント（評価版ライブラリに含む）：emWin PROパッケージ（フルカラーサポート、タッチパネルサポート、AntiAliasing、Memory devices、Window Manager、Widgets、GUIDRV_Linドライバ）、マルチタッチサポート

emWin画面設計ツール

emWin画面の設計は以下の2つの方法があります。

1. パソコン環境でAppWizardツールから画面を設計します。AppWizardツールのリソースマネジャから必要の画像、フォント、文字列をC言語データに変換します。
2. 直接emWin APIプログラミングで画面を細かく設計します。多少画面数が多く複雑なイベントハンドリングが必要なアプリケーション、時間重視のアプリケーションはAPIプログラミングでの実装方法を推奨します。
   APIプログラミング方法で画面開発を行う場合は、以下のPCツールで画像、フォント、文字列をC言語データに変換します。
   • BmpCvt：画像データ（BMP、GIF、PNG、JPEGなど）をemWinビットマップ形式Ｃソースコードに変換します。
   • FontCvtDemo：GUIアプリケーションで使用するフォントをCソースコードに変換します。※フォントライセンスにご留意の上、利用ください。
   • Bin2C：ファイルデータ、バイナリ形式データを8ビットデータ文字列に変換します。

評価版のemWin開発支援ツール（AppWizard、BmpCvt、FontCvtDemo、Bin2C）は以下URLからダウンロード可能です。
https://www.segger.com/downloads/emwin/

GUIコンフィグレーション設定

評価版emWinライブラリは以下のコンフィグレーション設定でビルドしています。
設定ファイル：GUIConf.h　※設定内容の変更はできません。

#if DEBUG
  #ifndef   GUI_DEBUG_LEVEL
    #define GUI_DEBUG_LEVEL  4  // Default for debug builds
  #endif
#else
  #ifndef   GUI_DEBUG_LEVEL
    #define GUI_DEBUG_LEVEL  0  // Default for release builds
  #endif
#endif
#define GUI_NUM_LAYERS            (16) // Maximum number of available layers
#define GUI_OS                    (1)  // Compile with multitasking support
#define GUI_SUPPORT_TOUCH         (1)  // Support touchscreen
#define GUI_SUPPORT_MOUSE         (1)  // Support a mouse
#define GUI_SUPPORT_UNICODE       (1)  // Support mixed ASCII/UNICODE strings
#define GUI_WINSUPPORT            (1)  // Window manager package available
#define GUI_SUPPORT_MEMDEV        (1)  // Memory devices available
#define GUI_SUPPORT_AA            (1)  // Anti aliasing available
#define WM_SUPPORT_STATIC_MEMDEV  (1)  // Static memory devices available

emWin専用メモリプールの設定

emWinの内部処理、メモリデバイス機能、ウインドウマネジャ実行に専用メモリプールが必要です。本デモサンプルプロジェクトではemWin用4MByteサイズのメモリブロックを使用します。
設定ファイル：GUIConf.c

#define GUI_NUMBYTES (0x400000)  // 4MB

void GUI_X_Config(void) {
  // 32 bit aligned memory area
  static U32 aMemory[GUI_NUMBYTES / 4];
  // Assign memory to emWin
  GUI_ALLOC_AssignMemory(aMemory, GUI_NUMBYTES);
  //

LCDドライバ関連の設定

LCDドライバ設定ファイル：LCDConf.c

カラー設定（BPP）：32、16（デフォルト）

//
// Color depth
//
#define BITS_PER_PIXEL 16  // Allowed values: 16, 32

emWinのGUIDRVドライバ設定：
カラー設定値に合わせて「GUIDRV_LIN_16」または「GUIDRV_LIN_32」ドライバを設定します。

#if   (BITS_PER_PIXEL == 32)
  #define COLOR_CONVERSION GUICC_M8888I
  #define DISPLAY_DRIVER   GUIDRV_LIN_32
#else
  #define COLOR_CONVERSION GUICC_M565
  #define DISPLAY_DRIVER   GUIDRV_LIN_16
#endif

void LCD_X_Config(void) {
  //
  // Set display driver and color conversion for 1st layer
  //
  GUI_DEVICE_CreateAndLink(DISPLAY_DRIVER, COLOR_CONVERSION, 0, 0);
  //

LCDドライバが使用するメモリリソース：

画面のちらつき防止のためにビデオバッファを2つ使用します。
ビデオメモリサイズ（Byte） = 2 x 800 x 480 x (LCD_BITSPERPIXEL / 8)

16bitカラーモードの場合は、ビデオメモリに約 1.5MByte（=2 x 800 x 480 x 16/8） RAMを使用します。32bitカラーモードの場合は、ビデオメモリに約 3MByte RAMが必要です。

タッチドライバ関連の設定

タッチパネルドライバ設定ファイル：PIDConf.c

専用タスクを使用してタッチパネルの入力データ（I2C通信）を読み出してemWinのタッチイベントハンドラに情報を送ります。タッチパネルドライバはマルチタッチイベント（5ポイントまで）に対応していますので、ピンチによる拡大縮小などユーザジェスチャーもサポートします。

emWin ユーザガイド（オンライン）：
※Google Chrome等でオンライン翻訳機能をご利用になると便利です。
https://www.segger.com/doc/UM03001_emWin.html

AppWizard ツールユーザガイド（オンライン）：
https://www.segger.com/doc/UM03003_AppWizard.html

emWin Wiki / Knowledge Base：
https://kb.segger.com/emWin

emWin API Example Samples：
https://kb.segger.com/emWin_Examples

emWin・AppWizard機能使用方法、チュートリアルビデオ：
https://www.segger.com/videos/#emwin